小さな窓から広い外を見てた。

いくら見たって小さい窓からは
小さくしか見えない。

…3つ…4つ…

窓から見える
何かがふわふわと揺らめいている。

けど窓から乗り出してそれを掴もうとすると
すーっと消えていってしまった。



目覚めると何事もなかったかのような朝が来る。

最近目覚めが良いのは変な夢のせい?

トントン

「開いてるよ。」

「あれ、
今日も早起き?」

ノエルがずかずかと部屋の中へ入ってくる。

「今日も良い天気だよ。
どっか行ってのんびりしたいね。」

窓際までいって窓を大きく開くと
ずっと遠くまで見ながらそう言う。

「どっか行こうか。」

「そうだねっ。」

にこにこしながらノエルは振り向いてきた。
それはあんな運命を持っている子のようには
とても見えなかった。

「ずっと遠くまで…行こうか…ノエル。」

「ん!?
それは無理なの知ってるでしょ、リア。」

「本気だよ。」

真顔で正面からノエルを凝視する。

「駄目だよ…。」

耐えられずに目をそらしたノエルは言う。

「そんな事したら迷子が皆魔に飲み込まれちゃう。」

「それだけど…
どうして分かっていて私の行った虚世界のノエルは
別の世界へ行こうとしたのかな?」

「それは…。」

何か心当たりがあるような反応を見せるが
それ以上答える気はないようで
ずっと黙ったままになってしまった。

「さてと、行こうか〜。」

「ど、どこに!?」

緊張するノエルにリアは笑って答えた。

「朝ご飯!!」





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