橋渡しのお祭りが始まった。
けど特に何かしているわけでもない。
最後の晩餐?
そんな感じ。
ククルは…
皆に混じって何か食べたりしている。
意識なんてほとんどないのに…。
ここにいる皆意識がかなり飛んでる。
目の前に立っても反応すらない。
話し掛けたってそう。
時間が経つにつれ人が減っている事に気が付いた。
「ノエル…。」
「うん。
皆少しずつ橋を渡っているんだよ。
ここから全ての魂が消えたらお祭は終わるの。
未練が残っているほど時間がかかるから…。」
ククルの未練…
いったい何を伝えたかったのだろう。
あの時私が一緒に連れ出していたら…。
誰にも見ていてもらえなくて…
だからいっぱい未練残ってるんだ。
私があの時…。
もう一度。
リアはククルの側へ行った。
回りにいた他の魂はもういない。
誰もいないところで一人だけ
無意識の中食事を続けている。
「ごめんね、ククル。
ごめんね…ごめんね…。」
涙が止まらない。
触れようにも体が透けて触る事もできない。
「ククル…。」
「…。」
「ククル!?」
「…リ…ア…?」
なんとククルが意識を取り戻した。
「ククル?」
「リア?
本当にリアなの?
探したんだよ…。」
「ごめん…けどもうここにいるから。
安心して…。
もうククルは一人なんかじゃないから…。」
ククルも分かっているらしく
それ以上何も望まなかった。
「最後に一つだけ…。
リア…ありがとう。」
全てに満足したのかククルの魂は安らかに
天へと昇って行った。