わしがここへ来たのは2度目。

再びあの世へ来るとは思ってもいなかった。
今思えば一度目の時から
こうなる事は運命だったのかもしれぬ。


わしが泉を見張っていると事件は起きた。
リアとニアが落ちたのじゃ。

わしはそれを追ったが手遅れじゃった。

それからあの二人を見たのは必死な顔をしている
ニアがリアを引っ張るように帰って行くところじゃった。

わしが気が付かないわけもなく
そのリアが虚世界のリアだとすぐに分かった。

じゃが、それはたいして問題のある事でもない。
同じ世界に一人ならどこにいようと問題は無い。

それから頻繁にここへ来るようになったニアに
わしはわざと姿を現し、何がしたいのか聞く事になった。

なにやら悪い予感はこの時からしておったが
まさかあの世に行くとは。

じゃが一度目行く事になったのは
リアが偶然きたあの時じゃった。

その潜在能力にわしは驚いた。
リアの内に秘める何かがあの背後に見えるかのように
とてつもなく大きな力が入っているように見えた。

まだ小さなリアにはそれを自らの力で引き出すことは
まったく出来ないはずじゃったが
危険が迫ると自動で発動するようじゃった。

その時もリアのそそっかしいせいで…。

なぜ落ちたのか…わざとじゃったのか謎じゃが
わしはリアをなぜかほっておけずに泉へ飛び込み
ボーダーへと足を踏み入れてしまった。

そこでわしは見てしまった。

魔の者があの小さなリアに真っ二つにされる瞬間。
わしが感じたあの影の力なのか…。

そいつはついでにわしにも牙をむいた。
かろうじて避けていたわしは考えなしに避けた結果
あの扉を開くことになるとは…。

わしはその扉から来る異様な風に吸い込まれ
あの世界へ飛ばされた。

そして、そこで実世界のリアと出会った。
それは偶然か運命か…。

わしはそこで1つの約束をした。

もう一度現世へと…。





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