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あれから何分経っただろう。
まだ体が言う事をきいてくれない。

あ~あ…何してるんだろ、私。
早く行かないと…。
けどどうやって追えば…。

「ねーあんたの力なら一人でも
ここから実世界へいけるんでしょー。」

心の中にいるもう一人のリアは何も反応しない。

聞こえてるくせに…。

『うるさいな…。
表に出ちまったからそうそう動けるもんじゃねえ…。
俺だって出れるならこんなとこさっさと出たいが
俺にもここから出られる力はねえぞ。
あいつのあの力だからこそできるだけ。
ただ力があってもできやしないさ。』

そうなんだ…。

『一つ言うが俺の名はリバースだ。
もちろん勝手に俺が付けただけの名だし
お前以外には無用だが…。』

「ありがとう、リバース。」

あの頃は孤独な時間が多かった私。
なのに寂しくないって思える瞬間もあった。
それはリバースの存在を
知らず知らずのうちに感じていたからかもしれない。

『俺は別に…。』

「ううん、いつも…
ずっと昔からありがとう。」

周りに誰かいたら一人でつぶやいてるだけの
変人に見えるかもしれない。
けど、誰かいたとしても
大声で言える。

むくっ

『おいおい、無事か?』

ゆっくりと立ち上がるリアは精一杯な笑顔を見せてやる。

『まぁ…立ち上がっても何もできないだろうがな。』

「あるよ、方法。
虚世界にいるノエルを探す。」

『おいおい、まさか戦って飛ばしてもらうのかよ?』

「それは必要ないと思うよ。
屋敷から出た世界じゃなかったら
私は追われる事もないしね?」

『まぁ…そうだな。』

リアは適当な扉を開き中へ入って行った。


第08話~虚世界のノエル~


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