簡単にボーダーへは来れた。
けど何かいる気配すらない。

色々な扉が存在する空間。
なんとなく分かってきた。

無作為に入ってみると何かを感じたのか
すぐにボーダーへ戻る。

『何をしてるんだ?』

「確認よ。
ここにはノエルはいない。」

『は?』

「扉が開かれた感じがない。」

無数に存在する扉の1つ1つを見て回るなんて
とうてい無理だから
ある程度絞り込んでいく必要があった。

考えるんだ…。
ノエルならどうする。

考えた結果
待つのが一番良いような気がした。

待っている間久々に一人で稽古をしていた。
思えば飛び出してから全然稽古らしい稽古なんて
一切していなかった。


さっさと戻ってくれば良いのに。
まったくどの扉から向こうへ行ったんだか。
さっぱり分からないや。

色々と考えながら稽古していると
再び魔の者の気配が現れた。

しばらく出てこなかったくせに…。

そういう割りには冷静な自分がいた。
何か1つ壁を超えられた気がするからだった。

明らかに以前出てきていたレベルよりも
上のレベルの魔の者だったがなんの戸惑いもなかった。

両手を合わせると刀が現れるが
以前のものとは違い一回り大きな刀となっている。

それにもかかわらず身軽に振り回すリア。

向かってくる魔の者をとらえると
まだまだ距離があるにもかかわらず
刀を大きく振り切った。

すると剣圧が発生して魔の者に向かっていき
一瞬で魔の者を粉砕した。

確かに強くなっている事を確認すると
リアは少しだけ自分に自信が付いた気がした。

それからも来る魔の者を次々と粉砕していった。


第12話〜虚世界との狭間6〜


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