どれだけの時間が経ったのだろう。

ボーダーに来る魔の者のほとんどは
最低ランクのレベルだった。

そしてその後人間がボーダーへ入ってきた。

ノエル…じゃないような感じがする。

向こうも気が付いたのか近寄ってくる。
次第に姿が見えてくるが…。

「ノエルちゃん!?」

そう。
一度はボーダーを超えて実世界へ行けたかと
思えた時手助けしてくれたノエル。

「無事だったんだね?」

「うん〜。
衝撃を受ける前にしっかりガードしてたんだよ。」

どうやらこの子は賢いらしい。
色々知ってるみたい。

「どうしてボーダーへ来たの?」

「お姉さんがまだたどり着けてないと思って…。
確認の為に来てみたの。」

本当に賢い。
天才的な感じすらする。


「ここに元々扉があったの?」

壊れてしまった実世界への扉のあった場所。
すると壊れた扉をかき集め始めた。

「何してるの?」

もしかしてなんて期待をしつつも尋ねる。

「今から扉を作り直すの。
新しい扉を作って…
後はお姉さんが思いを込めて開くだけ。」

適当に破片を集めると持ってきていた釜へと
無造作に放り投げる。
そしてマッチを擦ってその中へ放った。

一斉に釜の中は溶けだし
どろどろの状態になる。

すぐにそれを扉の型に流し込み後は…

「それっ。」

ノエルの冷気で一気に冷やすと新しい扉が完成した。

「後はお姉さん次第…。」

「ノエルちゃん、ありがとっ。」

またぎゅ〜ってすると凄く
ほわ〜んとした顔をしてくれる。

「行ってくるね…。」

「うん…今度こそお別れ…。
さようなら、お姉さん。」

「ノエルちゃん、ありがとう。
ばいばい。」

私はノエルちゃんの手を強く握り締めた後
その扉を開いて一歩踏み出した。


第13話〜廃教会〜


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