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「リア!?」

「少し待ってて。
こうしていてもどうしようもないし
アーリンも私の大切な人だからほっとけない。
絶対分かってくれる。」

私は返事を聞かないでその空間を出るとアーリンの前に立った。

「なぜ出てきたのでありますか?」

「アーリン。
どうしてもそこを避けてくれないならこうするしかない。」

「…。」

一瞬悲しい顔をしたようにも見えたが
再び厳しい表情に戻ると弓を構える。

容赦なく次々と放たれる矢をかわすので精一杯のリアは
再び追い詰められていく。

「どうしたでありますか。
逃げ回っていても勝てないであります。」

逃げ回る…。

リアは思いついたかのように庭の奥へと進んだ。

「…。」

奥まで入ると木の上に登って様子を見る。

「思ったとおり…。」

アーリンはリアを見失った。
きょろきょろと辺りを探しているが見つけられないようだ。

さてどうしよう。
接近戦ならアーリンが上。
遠距離じゃこっちの攻撃なんて…。

刀を見つめて思う。
あの技が出来たら…。

迷ってても仕方ないか。

リアは意を決して刀に力を込めアーリンに向けて振り下ろしてみた。

…まったく出る気配もない。

今のでアーリンが気が付いたらしく木の上を探し始めた。

「見つけたであります…。」

何か昔を思い出すかのように走り隠れるリアと
それを追うアーリン。

「いつまで続けるでありますか。」

「…。」

アーリンはおもむろに矢を放ち始めた。

危なっ。
闇雲に打ち始めちゃったよ…。

そうそう当たるわけもないとリアは木の上で用心していたが
アーリンの様子がおかしい。
さっきまであれだけでたらめに打ちまくってきたにもかかわらず
今度は何もせずに立ち尽くしている。

諦めたのかな?

その時だった。
打ったはずの矢が一定の場所まで行くと
何かにぶつかったかのように行き先を変えて別の方向へ向かう。

「さあ、どうするでありますか。」

大きな声でリアへ向かって叫ぶ。

どこにいるか分かっていないのは確かのようだ。
だけどどうする…。
このままじゃいつかは…。

徐々に矢が迫ってくる。

「降参するであります。」

くっ。

その時だった。
あの痛みが再来した。

「出てくるな、リバース。」

『おいおい、本当に死ぬぞ。』

ここで逃げちゃいつもと変わらないじゃないか。
何が守るだ。
何が大切なものだ…。
たった一人も守れないのか。

そして目の前に一本の矢が迫ってきた。


第07話~ノエルの過去~


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