以前見たボーダーとは明らかに違う。
そこには真っ黒な大きな扉が1つ。
「これは…。」
なんとなく分かる。
認めたくない世界がそこにある気がする。
「それはあの世との扉じゃ。」
!?
「じゃこう。」
「なんじゃ、あまり驚いてはおらんのか。」
「そうね、なんとなく分かってきた。
ニア兄さんとじゃこうは繋がってる。
あの世との扉を開こうとしているのね。
理由は知らないけど…。」
「…知らん方が良いこともあるのじゃ。」
「その通り。
リア、お前はただこの向こう側をイメージしてくれれば良い。」
あの世の扉…。
もし本当なら何をするつもり?
私は利用されてる…。
「余計なことは考えるな、リア。
さあ、開いてくれ…。」
「ふっ…それが運命だと?
何をしようと関係ないけど運命なんか…。」
「引き出す気が無いなら無理やりにでもあれを発動してもらう。」
消えた!?
その瞬間脳に衝撃を受けた。
「おっと、見えてなかったか?
じゃあもう少しゆるめに…。」
また消え…。
あれ…。
リアの刀が発動して勝手にニアに向かって行く。
リバース!?
『俺はお前と共にある。
お前が判断出来ないなら俺がやる。』
私に見えてないものがリバースには見えてる。
なんで私だけ…。
「む…。
これは。」
自分の動きに付いてくるリアを見て驚いているニア。
しかし、それと同時に可能性が高まった事に喜んでいる。
互角にニアと渡り合うリバースだったが
そこにじゃこうが入ってくると手におえない。
防戦一方になるリバース。
そして長い時間が過ぎた。
『もう限界だ。
どうする…。』
時間。
リバースにはリアの体を借りて動き続けるのは負担がかかりすぎる。
だからその時間は極わずか。
そしてその限界が過ぎるとたちまちリアと入れ替わってしまう。
その後、あっという間に崖っぷちになったのは言うまでもない。
「とどめをささないとでも思っているのか?
だとしたら間違いだ。
開けられる能力を発動できないなら
ここに残す必要がない。
散れ。」
渾身の一撃がリアに向かってきたとき
それは勝手に発動した。
金色に輝くドーム状のそれはリアを飲み込み広がっていく。
「来た。」
「…。」
今だ。
そんな勢いでそのドームの中へと入っていくニア。
ドームはあの世との扉をも飲み込み停止した。
空間内では時間が逆転する。
そしてその扉は開かれた。
第12話〜あの世〜