2008年9月14日日曜日。
その日が最後の1日だったなんて未だに信じられない。
いつもと何も変わらずに私は日中友達と買い物をして
夕方には自宅へ帰り家族と夕飯。
それから、お風呂に入ってその日の出来事を
ブログにアップしてから就寝した。
真っ暗な部屋。
そう。
それが明ける事は二度と無かった。
2008年9月15日月曜日。
何の事はない。
私は光を失ったらしい。
信じられないけど不思議とショックもそれほどない。
元々そんな好きでもなかった世の中。
見えない方が良い事もいっぱいあった。
神様なのか悪魔なのか…
どっちにしても、
この日、私は絶望と希望を同時に手に入れ失った。
市内にある病院の病室にいるらしい私。
見えないけど聞こえるからなんとなく情報は入る。
「より子…。」
心配しているようなお母さんの声が聞こえてくる。
それもそうだろう。
母1人子1人。
17年間必死に1人で育ててくれたお母さん。
反発した時期もあったけど今はそれなりに仲良くしてたつもりだった。
来年3月で私だって就職してお母さんを少しでも…
なんて思ってたのに…。
また迷惑掛けちゃうんだ。
まだ何もしてあげてないのに。
見えないと余計に色々と考えてしまう。
病院だって只じゃない。
治らないなら治らないで家に帰りたい…。
それに他の人が私を見てどう思っているのか気になった。
見た目…どう見ても頭が良いなんて見えない。
髪の毛は長くて茶色い。
肌は黒いし礼儀もない。
世間なんてそういうのを外見だけで社会のゴミみたいに言う。
どっちがゴミだ。
なんて言ってみても実はそんな事知ってる。
知ってても反発したいだけ。
普通とか常識とかそんなのが大嫌いだった。
ちょっと違うからってすぐからかってくる連中にも
父親がいないからって言い寄ってくる男にも
いつだって反発してやった。
そんな罰でも受けたんだろうか。
私は不幸だ。
…お母さんごめん。
開かない目。
それでも涙は流れる。
ベッドにうつ伏せになって周りに絶対に聞こえないように
静かに大粒の涙を流した。
第02話〜絶望がゆっくりと足音も立てずに忍び寄って来る〜