2008年9月22日(月)
なんと誕生日。
まさか見えないままで迎えるなんて思ってもいなかった。
それに携帯もならない。
見えないけど出れるんだから電話くらい来ても良いのに。
ぶつぶつ言いながらお気に入りの曲を聴いている。
目が見えないのにもそんなに違和感がなくなりつつあって
どこか諦めのようなものも感じていた。
どうでも良いってわけじゃないけど
慌てて何かしようにもどういしょうもない事も知った。
とりあえず、今日も歩く練習はしている。
何年も歩いている自分の家の中くらいは
そんなに時間もかけずに歩けるようにはなった。
何よりお風呂は休まった。
目を閉じて何も考えないと
いつもと変わらない風景のような気がして
不安とかもなにもない。
誕生日でも同じ日。
何もない。
家にいて何か変わった事でもあれば…。
学校だし誰か来るとしても…。
それに来ない気がする。
…来たって私、出れるのかな。
知らない人だったらどうしょう。
そんな不安が出てきた。
お母さん、今日も夕方までかな。
久々にのんびりお風呂に入ったら無償にパソコンがしたくなった。
見えないとしても何か出来るかも!?
部屋へ戻るとパソコンの電源を入れた。
懐かしい音。
勝手に起動するメッセンジャーとかスカイプ…。
話しかけられないようにしないと。
ってのをなんとかしようとする前に誰かが話しかけてきた。
しまった。
対処できない。
それから何をしようにも見えないと何もできない。
キーボードは打てても文字を打っても仕方ない。
やっぱり見えないと何もできないや…。
プチンと電源を落とした。
それから夜まで誰も来ないし何もする事が無かった。
そして夕食。
「誕生日おめでとう、より子。」
「ありがとう、お母さん。」
やっぱりお母さんはお母さんだ。
嬉しいな…。
こんなに嬉しいのっていつ以来!?
「今日はより子の大好きなケーキもあるから
後で食べようね。」
ケーキ。
ショートケーキ。
苺…美味しい。
見えなくても好きな物は好き。
嫌いな物は嫌い。
携帯なんて…。
鳴らない携帯。
持ってる意味あるんだろうか。
何も変化のない1日が今日も終わる。
明日は何か違う日になるんだろうか。
第09日〜差別するんじゃありません〜