2008年10月6日(月)

1つ願いが叶うとしたら。
いったい私は何を望めば良いんだろう。
目が見えるようにもなりたい。
また友達と遊びたい。
お母さんとも話したいし顔だって見たいし…。
他にもいっぱいある。

過去に戻れたらなんて思っちゃう。
あの日まで戻れたら何をするだろう。
お母さんに甘えたい…。
死なないで欲しい…。

もういないんだ…。

お母さんの骨の入っている箱。
箱なんて触っても全然温かくも無い。

こんな小さくなっちゃうんだ。

そんな感想しかない。

「より子ちゃん、おはよう。」

「あ、みやこさん。
おはよう。」

「今日も外は明るいわよー。」

「そうなんだ。」

「…。」

何を話して良いのか分からない都。

「みやこさん。」

「ん、どうしたの?」

「みやこさんのお母さんってどんな人?」

「うちのお母さん!?」

都ははっとしてしまった。
なぜそんな事を聞きたがるのか分からないし
突然だったから一瞬、間をとってしまった。

「…そうね。
うちの母は私にきつかったかな。
昔から男の兄弟に挟まれてるせいもあって
男の子と遊ぶ事が多かったんだけど
女の子は女の子らしくしなさいってよく言われたわ。
今じゃ母の方が男っぽい性格になっちゃたけどね。」

「そうなんだ。」

都にはより子が何を考えているのか分からない。
どういう答えを望んでいたのか。
今、何を考えているのか。
普段は明るくて優しい子。
きっと友達もいた。
極普通の女の子。
化粧もしてただろうし、
携帯は常に見てないと落ち着かないとか。
だけどそれは作っただけの外でのより子。
本当のより子は母親の前にしかいなかった。
本気でぶつかっても平気だった唯一の人。
それを失ったより子。
まだ18歳だって言うのに…。



その日、より子はそのままずっと寝ていた。
深い眠りと浅い眠りを繰り返し色々な夢の中をさまよっていた。


第23日〜普通に〜


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